2018年度UCバークレーへの派遣者 体験記 1
2018年度UCバークレーへの派遣者 体験記 1
李暁媛(法学政治学研究科 博士課程) 
1. 派遣期間
2018年2月~2019年3月

2. バークレーでの研究テーマ
国際法における女性差別の権利 ― ステレオタイプを手かかりに

3. 応募の理由、バークレーを選んだ理由
私の博士論文における研究内容は、心理学の概念として、ジェンダーステレオタイプがどのような状況下において、法的文脈で法的差別になることがあるかを理解し、また差別された女性が法的救済を求めることができるようにすることである。このテーマに関する文献と判例を詳しく研究するとともに、米国の理論と判例をたくさん閲読した。他の国と比較すると、米国におけるジェンダーステレオタイプをめぐる研究は歴史が長いため、ステレオタイプに基づく性別差別の理論と判例にまつわるより成熟した司法制度があることを実感した。従って、アメリカでジェンダーステレオタイプと密接に関する憲法、雇用法及び反差別法を勉強することが必要と考えた。
他のロースクールと同じように、バークレーロースクールでも本件に関する授業が提供され、それに加えて同校には女性権利を研究している教授もいらした。また、ロースクール以外にもバークレー校では女性研究科もあり、この研究科を通じて、無意識バイアス、フェミニズム理論などの授業も開講されている。私の博士論文にとって、これら全てが重要な資源であったため、応募をした。

4. バークレーでの研究およびその成果
バークレーにおける1年間、私はロースクールで自らの研究に関連する憲法、雇用法、差別禁止法などのコース、また女性研究科で暗黙的バイアス及びフェミニズム理論などを含むいくつのコースを受講した。その上、私の論文に関して、ロースクールの教授達と何度か相談もした。教授達は私にいくつかの重要な論文を推薦して下さった。これらのコース、相談内容及び頂いた論文を通じて、アメリカの法律、特に憲法及び雇用法において、ジェンダーステレオタイプの役割を徐々に了解した。そして、これらの情報に基づいて、博士論文における重要な一章を完成させることができた。
この章では、ジェンダーステレオタイプに関する多くの判例から、米国での文脈において、どのような状況下でジェンダーステレオタイプを法律差別とみなすかという結論を導き出す。この結論は、国際レベル、具体的にいえば、欧州人権裁判所、米州人権裁判所及びCEDAW(女子差別撤廃条約)の個人通報に適用できるかどうかを議論する基礎となる。さらに、答えは家父長制の考え方に大きな影響を受けている中国と日本の女性の状況を分析するのにも役に立つと考える。これらの研究は、女性と男性の平等の達成を促進するものと信じている。

5. バークレーでの生活
バークレーの日本研究センターは、バークレーのメインキャンパスから徒歩15分くらいのところにあり、他の東アジア研究の中国研究センター、韓国研究センターなど一緒にある。センターには、個人の研究スペースが数多くあるが、センターにいる訪問研究者が少ないことから、静かで研究に集中することができる。
バークレー周辺のレストランは、例えば中国、日本、韓国、タイのような、アジア系レストランが多い。また、インターナショナルハウスなどの学生寮に食堂もあり、meal planが購入できる。また値段も外食するより少し安めとなっている。スーパーは、普通のアメリカのストアーであるWalgreensやWhole Foods Market以外にも、アジアスーパーの99 Ranch Marketがある。研究センターの近くには日本食スーパーのTokyo Fish Marketもある。
バークレー周辺のアパートの一部屋の家賃相場は一ヶ月1500米ドルぐらいである。バークレー周辺の市であるAlbany, El Cerrito及びRichmondはいい選択肢だと思う。Craigslistで家を探すのが一般的な方法であるが、それに加えてバークレーのウェブサイトのHousingもいい方法だと思う。
公共交通はバークレーでは主にバスとBartを使う。Bartの方が早いが、訪問研究者と学生に対するバスの学割定期券があり、通常価格の5割で購入できる。一方でBartの割引はほとんどない。バスでバークレーからサンフランシスコを含む隣の市へ行けるので、車を運転しない方はこの公共交通をお勧めする。また、安全のため、夜間は公共交通よりuberの使用をお勧めする。

6. 今後の応募者、派遣者へのメッセージ
東大とバークレーのプロジェクトはとてもいいプラットフォームだと思う。特にバークレー側の授業や学生がとても多く、またバークレーで行われる授業にほとんど自由に参加できる。しかし、先生に事前にemailで連絡し、許可を取った方がよいと思う。大学院の授業も参加できるが、同様に事前許可が必要。自分の研究テーマに関する有名な先生がバークレーにいれば、是非先生に連絡して、一緒にディスカッションする機会を取るべきだと思うし、とてもいいチャンスだと考える。
そして当然だが、英語の練習もできる。バークレーのYWCAのEnglish in Actionを通じて、英語のパートナーを探せる。更に、バークレーの市図書館で英会話ミーティングもある。もし英語のクラスを取りたいなら、UC Berkeley Extension を通じて、いくつか授業も取れる。バークレーには様々なリソースがあるので、是非フルに活用していただきたい。